中古住宅の購入を考えている方で、中古住宅の詳しい知識がなく、不安だという方が多くいらっしゃると思います。
皆さんは安心R住宅という制度をご存じでしょうか。
空き家を中古住宅として購入しようと考えるなら、この制度について知っておいた方が良いでしょう。
今回は、安心R住宅のメリットや注意点についてご紹介します。
□安心R住宅とは
安心R住宅とは一定の条件を満たす物件に対して、登録団体がお墨付きを行う制度のことです。
条件として、耐震性などの基本的な品質基準を満たしていることや、点検記録といった保管記録が残っていることが挙げられます。
また、リフォームされているか、リフォーム提案がついていることも条件に含まれるので注意しましょう。
リフォーム提案とは、リフォーム提案士によって、リフォームに対するアドバイスや予算設定を受けることです。
安心R住宅では、3団体のみが登録団体とされています。
この登録団体から認められると、調査報告書に概要が登録され、買い手が確認しやすくなるでしょう。
またロゴの使用は仲介業者を通して、登録業者の許可をとる必要があります。
ロゴがある場合とない場合では、買い手へのインパクトが大きく変わってきます。
□安心R住宅のメリットとは
安心R住宅にはいったいどのようメリットがあるのでしょうか。
大きなメリットとして、空き家の情報が明確化されるというメリットがあります。
リフォームをきちんと行なっている上に、住宅についての詳細な情報をが記載されているので、より安心できるでしょう。
また、買い手だけでなく売り手側にとってもメリットがあります。
もし、中古住宅を売却した後にトラブルが発生した場合は、売り手側の責任になってしまうでしょう。
しかし、売却する前にしっかりと調査を受けているので、トラブルが起こるリスクを軽減できるのは嬉しいですよね。
このように、安心R住宅には買い手だけでなく、売り手にも大きなメリットがあるようです。
さらに、適正な価格で売買ができるメリットもあります。
新築とは違い、空き家の購入では比較対象が少ないので、相場が分かりづらいです。
素人の目では判断できないので、適正価格ではない購入が決まってしまうこともあるでしょう。
しかし、安心R住宅では十分な調査が行われて販売されているので、適切な価格での購入が期待できます。
メリットがある反面、デメリットもあるので注意しましょう。
安心R住宅は、しっかりと調査済みで、きちんとリフォームされた物件なので、他の物件と比べると、少し価格が上がってしまいます。
国が定めた規定に従って指定されているので、他の物件に比べると安心な物件であることは間違いないです。
予算に余裕がある方や、より安心の物件を選びたい方にはぴったりな制度でしょう。
また売り手側にも、売却するのに費用が割高であるデメリットもあります。
物件の調査を依頼する費用や調査で見つかった部分を修繕するための費用が発生してしまいます。
ご自身の予算と相談しながら、安心R住宅の制度を利用するかを決めた方が良いでしょう。
□注意点とは
買い手側と売り手側のそれぞれに注意点があります。
*買い手側の注意点とは
不動産会社が安心R住宅の仲介を行う時は、国が定めた規定により、住宅の詳細な情報を明確に示す必要があります。
そのため、安心R住宅に認定されていれば安心だという勘違いが生まれてしまいます。
情報の明確化は義務付けられていますが、情報が不明な場合は「不明である」と提示すれば、安心R住宅に指定できてしまいます。
前述した通り、安心R住宅に認定されていれば安心であると情報を鵜呑みにしてしまうと、情報が不明確な物件を購入してしまう可能性があるので、しっかりとした知識を身に付けていくことが大切です。
安心R住宅だからすべてが安心だと思うのではなく、購入を決める際は慎重に判断できるようにしておきましょう。
*売り手側の注意点とは
買い手の目に留まりやすくなるので、売り手側にとっては安心R住宅に指定された方が売りやすくなります。
しかし、指定されるためには一定の条件を満たす必要があります。
一般的に中古住宅を売ろうとする場合は、複数の不動産会社に売却を依頼する一般媒介契約を選択することになるでしょう。
しかし、安心R住宅に指定されるためには、1社の不動産会社としか契約を結べない専任媒介契約である必要があります。
一般媒介契約を結んだ場合は、安心R住宅として指定してもらえなくなるので注意しましょう。
以上より、安心R住宅の制度を利用する際は、買い手と売り手の両方にメリットと注意点があります。
□まとめ
今回は、安心R住宅のメリットと注意点についてご紹介しました。
安心R住宅を知らなかった方も、この記事を読んでご理解いただけたのではないでしょうか。
安心R住宅を利用する際は、十分に情報を吟味して、空き家の購入を検討するようにしましょう。