姫路市で空き家の売却を検討されている方にお伺いします。
皆さんは空き家を売却する際に、控除が受けられることをご存知でしょうか?
条件を満たしている必要はありますが、控除を受けられるケースがあるという事実を押さえておくのは大事ですので、ここでしっかり解説していきます。
□2種類の空き家について解説
まず前提として、空き家には2種類存在するということを確認しておきましょう。
1つ目は、引っ越しに際して生じたいわゆる一般的な空き家です。
ここでは都合上、普通の空き屋と呼ぶことにしましょう。
この普通の空き家は、アパートや賃貸マンションなどで定期的に発生します。
特に、新生活が始まる直前の3月は引っ越しが多くなる関係で空き家の数は増える傾向にあります。
しかし、同時にその空いた部屋に住み始める方も多いので、空き家が増えるという印象はあまり感じられないでしょう。
その一方で、2つ目の相続空き家は特徴が異なります。
相続空き家は、その数の増加が問題になることもあり、国が方針としてその数を減らすために対策を投じているところです。
なぜなら、地方部から都市部への若者の流入が多くなり、地方にある実家に住んでいる両親が亡くなった場合、その家は空き家として放置されるケースが増えてきているからです。
放置された空き家は犯罪の温床になるなど、悪い影響を周囲に及ぼす可能性があり、放っておけない社会問題となっていると言えるでしょう。
□特別控除について
先ほど解説した相続による空き家を売却する場合、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税は、不動産を売却する際に利益が発生すると、所得税や住民税に上乗せされて課せられる税金のことを指します。
譲渡所得税はかなり大きな額になるケースもありますので、軽視できないものになってくるでしょう。
ただ、この税金は条件を満たせば控除が受けられることになっており、最大3000万円までの控除が可能です。
ここまで額が大きいので、使わない手はないでしょう。
ではこの控除を受けるための4つの条件について解説します。
1つ目は、売却予定の家に人が住まなくなってから3年以内に譲渡することです。
3年と言うと長いようにも聞こえますが、物件を売りに出してから買手がすぐに見つかる保証はありません。
買手が見つかるまでの期間を考慮して早めに売却の準備を進める必要があるでしょう。
2つ目は、親子や親族の間での取引ではないことです。
3つ目は、引き渡しの前の2年間で同様の特例控除を受けてはいけないことです。
最後に、同時に他の特例が適用されていてはいけません。
以上の4つを満たしてれば最大3000万円の控除が適用されることになっています。
この措置は、相続をした空き家の売却の際にも適用されますので、相続した空き家の売却をお考えの場合は、しっかり確認しておくと良いでしょう。
また、特別控除を受けるためには、5種類の書類が必要になります。
・譲渡所得の内訳書
・空き屋の登記事項証明書
・売買に関する契約書
・被相続人居住用家屋等確認書
・耐震基準適合証明書等
上記の書類を確定申告の際に一緒に提出しなければなりません。
□特例を受けた場合の計算方法について解説
次に、特例を受けたとして、どのくらいの額が控除されるのかを知るために算出方法を見ていきましょう。
一例として、被相続人の父親が息子に対して住んでいた土地を相続したとします。
300万円かけて空き家の解体を行い、1000万円で譲渡したとしましょう。
所得費は5パーセントかかるものとします。
この場合、譲渡所得税は、引き渡した価格から所得費と諸費用を差し引いたものに20パーセントの税率を掛け合わせたものですので、解体費用を諸費用に含まれるものとして計算します。
計算結果は130万です。
これは、譲渡額に対してかなり大きな数字ではないでしょうか。
これではコスト面の負担がかなり大きいです。
しかし、特例控除がここに適用されると、算出される値はマイナスの数値になります。
つまり、譲渡所得税は一切課せらないということになります。
このように、控除を受けるかどうかで金銭面の負担は大きく変わってくるでしょう。
□控除を適用できない家屋
今まで特別控除について解説し、みなさんにも受けることをおすすめしましたが、中には適応できない家屋もあるのでご注意ください。
特例を受けること自体を目的とした売却だと判断された場合や、新築の建築中に使用する一時的な仮の住居に対しては適用されません。
また、別荘として保養目的で使用していた家屋に対しても適用外となるので、注意しておきましょう。
このように、事前に売却する空き家が控除の適用の対象なのかどうかはしっかり確認しておきましょう。
□まとめ
今回は、空き家を売却する際に受けられる特別な控除について解説しました。
控除額は、売る物件や状況などもちろんケースによって変わりますが、大きな額になってくることは間違いないでしょう。
そのため、空き家の売却を検討される方は、事前にしっかりこの仕組みについて理解し、確実に控除を受けられるように手続きを進めていきましょう。